【美術展訪問記】ソール・ライターの原点 ニューヨークの色

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東京渋谷駅のヒカリエのホールで開催されている"ソール・ライターの原点 ニューヨークの色"展へうかがいました。ソール・ライター(Saul Leiter 1923-2013)はアメリカ出身で、世界的に著名な写真家です。わたしは写真に明るくないのですが、絵画にも共通する"色"というタイトルに惹かれました。

小型カメラの誕生とほぼ同時期にペンシルバニア州ピッツヴァーグで生まれたソール・ライター。絵画に加え、子どもの頃にもらったカメラをきっかけに、写真に興味を持ち始めたそうです。

初期写真はモノクロ、1950年代から徐々にカラー写真の撮影が始まります。当時のゼラチンシルバープリントは、現代でのプリントに比べてより印刷の凹凸や厚みを感じ、昔の映画のように事物の輪郭が柔らかく写るような気がします。

20代の写真は、ニューヨークの風景と人(ほとんど正面を向いていない人)をモチーフにしています。
展示はその後、友人を写したポートレート・ファッション誌写真・彼の抽象絵画・そして表舞台から姿を消した後のフィルム再発掘の取組と続き、最後は大スクリーンでのスライド投影に圧倒されて終了です。

ファッション誌で表現した極彩色・抽象画の色合い・日常のスナップショットなど、ソール・ライターが生み出した多面的な輝きが詰まった展覧会でした。

ソール・ライターの絵画作品の、ボナールのように優しく響き合う色遣いを見ていると、とても繊細な人柄だったのではないかなぁと感じました。彼は日本の浮世絵のファンでもあったそうです。
彼を取材した映画「写真家ソール・ライター 急がない人生で見つけた13のこと」も観てみたくなりました。

本展は作品が素晴らしいだけでなく、ソール・ライターの写真構図やボケの入れ方などがとても勉強になりました。彼のセンスを取り入れて、なんだか今日から写真をうまく撮れそうな気がいたしますᕦ(ò_ó)ᕤ

会場は全て撮影可で、本格カメラを持参されている方も多く、熱気に包まれていました。
マイカメラ持参で、オリジナルステッカーのプレゼントがありました^_^