【美術展訪問記】世界のブックデザイン 2022-2023
江戸川橋駅の近くにある印刷博物館で開催中の"世界のブックデザイン 2022-2023"に行きました。この展示は毎年冬に開催され、世界の優れた印刷・装丁の本を紹介するものです。
"いつも本を読んでるのに、まだ飽きたらず展覧会まで行くのか"と夫がコメントしていましたが…読む本と見る本は別腹というのが持論です^ ^
残念ながら会場写真は撮れないのですが、中国・韓国・ドイツ・スイス・オランダなど多様な国のブックデザイン賞を受賞された作品が並んでいます。
大賞作品はこちらから。
言語の問題で、内容はあんまりわからないものも多いですが^^; 印刷や製本のすごさは言葉を超えて伝わってきます。
デンマークの福祉の歴史を紐とくArchitectures of Dismantling and Restructuring: Spaces of Danish Welfare, 1970-presentは、同じく高福祉国家のオランダからデンマークのシステムを捉えた本。内容も興味深いです(写真は出版社ホームページからお借りしました)。
毎回すごいなぁと思うのは中国の本で、手仕事が残る独創的なデザインが多いです。
中国のアートブックは、紙がプリントの土台であるだけでなく、風合いが作品の一部として取り込まれているのが特徴ではと思います。世界でもっとも長く紙を扱ってきた国の歴史を感じます。
本展示はなんと無料で、3/3まで開催されています。次の冬の開催も楽しみです。
最後におまけで、わたしが2023年に出会った最高の印刷本をご紹介します。
藤井ヨシカツさんの"凪"。戦時中に広島の呉にいらしたお祖父様とご自身の記憶をもとに撮影した写真を和紙に印刷された作品です。手製で"止"の字に綴じられ、ページの端はみずから手で裂かれたという凝りようです。
写真をお借りしましたが、本当にすばらしい一冊なので、ぜひ上のリンクから詳細をご覧いただきたいです。
TOKYO ART BOOK FAIR 2023で求めました。何度も見返したい大切な本です。