Still life with flowers and a blue chair

デンマークの女性画家・Herdis Gelardiによる油彩作品です。
静物画でも花と椅子に焦点を当てた作品は珍しく、木枠を椅子の色と合わせて水色にしていることから、画家の思い入れも強い作品だったと推察されます。
Herdis Gelardiは、パレットナイフで絵具を置くようなタッチが特徴のひとつです。
本作でも特に、タンポポ(?)に技法が効果的に用いられ、立体感のある可愛らしい花弁が表現されています。

画面の状態は良好です。
額はデンマークのオリジナルと思われる額をそのまま使い、額磨きと金具交換を行いました。額は経験による変化が見られます。
画面の質感をお楽しみいただけるようガラス・アクリル板は入れていませんが、ご希望の場合はCONTACTからお尋ねくださいませ。

Herdis Gelardi / ハーディス・ゲラーディ（1916-1991）

1916年にデンマーク第4の都市オールボーで生誕。父は画家で、影響を受け幼少期から絵を描き始めたと言われています。
20歳で画商のLaurits Gelardiと結婚した彼女は、20代でコペンハーゲンの絵画学校で学んだ後、戦後はイタリアとオランダに留学。デンマーク画壇の一線で永く活躍し続けました。
描くテーマは、室内・人物・風景・静物など多岐に渡り、後年はポストカード図案でも人気を博しました。
1970年代以降一家に一つ彼女の作品があったと言われるほど親しまれている画家です。 愛猫家でもあったようで、白黒のハチワレ猫がたびたび作品に登場するのが微笑ましいです。
当時数少なかった女性画家として、近年ふたたびスポットライトが当たり始めています。

【展示等実績】
・コペンハーゲン秋展覧会（1944-1946）
・シャルロッテンボーグ年次展覧会 (1949-1972)
・スケーエン地方個展（1952）　等